富山大学COC+地域関連科目講義レポート

授業科目名:工学部 機械知能システム工学科「創造ものづくり」

開講学期曜限:2017年後期(取材日9月26日)
YKKセンターパークの見学



「創造ものづくり」をテーマとする会社見学会が9月26日に行われ、工学部機械知能システム工学科の3年生約100人が、YKK黒部事業所「YKKセンターパーク」を見学した。学生はYKKの歩みや、ファスナーや窓の製造工程に理解を深め、同学科OBのYKK社員と質疑応答を行った。見学会は、県内の企業の製造現場を訪れ、機械関係の製品などを見ることによって、座学だけでは学ぶことのできない製品構造を理解し、工程に理解を深めることを目的としている。

はじめに人事部の藁科佑輝さんがパワーポイントを使ってYKKグループがファスナーに関する「ファスニング」、窓を扱う「AP」、機械・設備・ラインの開発を担う「工機」と三つの事業部門に分かれていることや、自前の材料や製造機械も手掛ける「一貫生産思想」をこだわりとしていることなどを紹介した。


 YKKの概要について紹介する若手社員


続いて藁科さんら若手社員4人が案内役を務め、学生らは4グループに分かれてYKKセンターパーク内を見学した。施設内では工機技術本部に関連する内容や、製造工程を紹介する資料、商品サンプルなどを見ることができる。中にはYKKの製品が使われている宇宙服や、テロの脅威を防ぐために爆風の被害を軽減できる窓なども展示されていた。

また、映像によってYKKの創業者である吉田忠雄氏の経営理念や生涯を学び、「大企業になっても中小企業の精神を持ち続けたい」というメッセージに学生は、耳を傾けた。熱心にメモを取りながらYKKセンターパーク内を見学した学生は「いつも使っているファスナーでも三つの種類があることを知った。また、地域の気候に応じて窓枠の構造が異なることも興味深かった」などと述べた。

引率した加瀬篤志助教は「ホームページなどを見てYKKについて調べてから参加している学生が多く、関心の高さがうかがえた。なじみの深い商品を扱う地元企業であり、就活という観点からも注目度は高い」と話した。


YKKセンターパーク内を見学する学生


OBとの懇談ではYKKに入社して3年目の機械製造部・大野光輝さんと中国出身で入社6年目の生産技術・応磊さんから話を聞くことができた。。学生からは「語学はできた方がいいか?」「インターンシップは経験したか?」「1日の仕事の流れは?」「部署は希望に沿って配属されるか?」「デスク業務と現場の仕事のどちらが多いか?」などさまざまな質問が上がり、OBの2人はひとつひとつ丁寧に答えていた。